2024 フェブラリーステークス: GIレビュー
競馬場:東京競馬場
距離:ダート1600m
賞金総額:2億5920万円(約183万USドル)
勝ち馬のペプチドナイル(牡6)は過去にリステッド競走を2勝しているが、これまで3回挑戦した重賞レースでは馬券内に入ったことが一度も無かった。レース前ではあまり注目されなかったが、今回単勝38.0倍のオッズでG1初制覇を達成した。
今年のフェブラリーステークスはメンツがあまり良いとは言えなかった。G1覇者のドゥラエレーデは前走までのダート成績は良かったが、上位人気のガイアフォースやG1馬シャンパンカラーはダート初挑戦だった。前年の勝者レモンポップはサウジカップ挑戦のため不在であった。
結局、他馬と比べてレース経験が浅いオメガギネスが単勝3.2倍の1番人気に推され、ドバイワールドカップ参戦が予想されたウィルソンテソーロは3.9倍の2番人気。しかしオメガギネスは全く見せ場がなかった。その一方でウィルソンテソーロは先頭を走るドンフランキーをバックストレッチで難なく追走したが、最終コーナーで外から来たペプチドナイルに被せられた。
残り300mで先頭の2頭が失速する中、藤岡佑介騎手が騎乗するペプチドナイルが先頭に立ちそのまま勝利。後ろからじわじわ追い込んできたガイアフォースがゴール手前で他馬を交わし1.1/4差の2着。そのクビ差の3着が道中後方で追走していたセキフウだった。
2024 フェブラリーステークス: レース映像
レース後コメント
藤岡佑介騎手「厳しいペースを追走して早めに先頭立ったので、なんとか粘ってくれっていう感じで乗ってましたし、馬自身がよく頑張ってくれたなっていう印象ですね。おおよその並びは想像がついていたので、想定以上に楽に好位が取れたので、このまま良い手応えで回ってこれないかなと期待しながら乗っていました。もうあまりにも楽に先頭に立ったので、なんとか押し切れないかなと思って、直線は長かったです。普段からコミュニケーションが取れてる厩舎ですし、馬自身もすごく調子が良さそうだった。レース自体はプレッシャーもかけられず、気楽に乗ってきてくれってことだったので、良いパフォーマンスが出せたと思います。すごく馬の仕上がりも良かったですし、順調に仕上げていただいて、すごく現役の時から仲良くしていただいている先生なので、よくやったなと言いたいです(笑)。リズムさえ守っていけば、力強く長く脚を使える馬ですし、前走が上手くいかなかったので、今日はもうとにかくスムーズにというつもりで乗りました。今日は人気薄で勝ったにも関わらず、沢山おめでとうと声をかけていただいてすごく嬉しかったです。これからもナイルと一緒に頑張りますので、応援よろしくお願いします」
期待外れの結果
オメガギネスはレース前にダート界の新たなスター候補として期待を寄せられていた。原禮子オーナーのピンク色の勝負服を見て、近年ダート界を沸かせたスーパースター、オメガパフュームを思い出す競馬ファンも多かったであろう。

4歳のオメガギネスにとってこのレースはたった6戦目で、前走まで5戦3勝2着2回という好成績を収めていた。また前走の東海S(GII)ではこれまでのベストパフォーマンスを発揮してウィリアムバローズの2着に入った。大和田成調教師が管理する当馬の期待の高さは、トップジョッキーのクリストフ・ルメール騎手が手綱を取ったことにも伺える。
オメガギネスはスタートでやや出遅れたものの、すぐに立て直して外側の7番手の位置まで押し上げたが、道中あまりスムーズに進んでいるようには見えなかった。鞍上のルメール騎手は残り400メートル手前で仕掛けたが、手応えは無く16頭中の14着に沈んだ。