2024 NHKマイルカップ: G1プレビュー
競馬場:東京競馬場
距離:芝1600m
賞金総額:2億8180万円(約199万米ドル)
ジャンタルマンタルはこのG1・NHKマイルカップで強敵を乗り越え、ライジングスター(期待の新星)として名乗りを上げた。
勝利ジョッキーの川田将雅騎手は、16番枠からのスタートながら先行策を選択。前に馬を置けず、外側を回りながらの競馬となったが、前年の勝利ジョッキーとしての意地を見せ、ライバルのクリストフ・ルメール騎手を破った。
一方、ルメール騎手が騎乗していたのは、桜花賞2着馬でジャンタルマンタルと人気を分け合っていたアスコリピチェーノ。前と外に馬を置き、理想的なポジションを確保して直線に向かうことができた。
しかし、この位置取りが勝負の分け目となった。直線に入って川田騎手はスムーズに前が開けていたものの、ルメール騎手は馬群に囲まれて進路変更を強いられる。その結果、アスコリピチェーノは加速に手間取ることになってしまった。
体勢を立て直してからの末脚は凄まじく2着に追い上げたが、スムーズな進路取りであれば勝てていたかは疑問が残る。最終的な1着と2着の着差は2馬身半、それを考えればその日最も強い馬が勝ったと言って間違いないだろう。
2024 NHKマイルカップ: レース映像
レース後コメント
川田騎手「本当によく頑張りました。1600mで走ることに関しては絶大なる自信を持っていますので、この同世代であれば、普通に走りさえすれば負けることはないと思っていました。ただ、皐月賞からの中2週というところで、疲れがどうなのかなというのは一番の懸念点でしたが、それでもこうやって勝ち切ってくれましたので、やはり素晴らしい走りができる馬だなと思います。これから、よりこのマイルという距離で、この馬が日本で一番強いんだというレベルまでいければいいなと思っています」

ファクトファイル
高野友和調教師と川田将雅騎手のG1制覇は、昨年12月の朝日杯フューチュリティステークスをジャンタルマンタルで勝ったとき以来でした。
裁決委員の見解
3番人気のボンドガールには明確な敗因があった。岩田康誠騎手のマスクオールウィンの斜行、そしてその煽りを受けたルメール騎手のアスコリピチェーノの被害を受け、進路を失ってしまった。この両者には過怠金が科された。さらに状況を複雑化させたのは、4着のゴンバデカーブースに騎乗していたジョアン・モレイラ騎手にも過怠金と制裁点が科されたことだった。
その他の注目馬
人気薄のロジリオンはやや出遅れ気味のスタートながら、追い上げて3着に食い込んだ。古賀慎明厩舎は調教師リーディングで下位に位置しているが、久々にG1を狙える大物が現れたかもしれない。厩舎にとって唯一のG1勝利は、2010年のオークスでサンテミリオンがアパパネと同着優勝したときのものだ。