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2024 桜花賞: G1レビュー

競馬場:阪神競馬場
距離:芝1600m
賞金総額:3億404万円(約200万米ドル)

ジョアン・モレイラ騎手はステレンボッシュと共にG1・桜花賞を勝ち、日本のクラシックレースを初めて制した。パートナーを育てたのは、あのアーモンドアイで有名な国枝栄調教師だった。

ブラジル出身のモレイラ騎手がこの日殊勲の勝利を挙げたときに来ていたのは、黄色・赤・黒で構成されたノーザンファーム代表・吉田勝己氏の勝負服だった。意外かもしれないが、この勝負服が日本のG1で1着になったのは、2017年のチャンピオンズカップ(ゴールドドリーム)以来だという。

エピファネイア産駒のステレンボッシュは、これで5戦3勝・2着2回。そして、ついにライバルのアスコリピチェーノを逆転した瞬間でもあった。G1・阪神ジュベナイルフィリーズでは彼女に敗れたが、今回は1着と2着が逆転した。

18頭立てのレースはアスコリピチェーノが3.5倍の1番人気、ステレンボッシュが4.3倍の2番人気という人気で始まった。12番枠のステレンボッシュはまずまずのスタートだったが、モレイラ騎手はすぐに追い上げて中団後方の好位置を確保、アスコリピチェーノを内から見る位置で競馬を進めた。一方、北村宏司騎手のアスコリピチェーノは9番枠スタートだったものの、ライバルの外側にいるというレース展開になった。

人気薄のショウナンマヌエラがペースを作り、エトヴプレがその後ろを追走。マヌエラが直線に入って捕まると、エトヴプレが先頭に躍り出る。しかし、この時既にモレイラ騎手とステレンボッシュは進路が開き、加速姿勢に入っていた。

ステレンボッシュは200m手前でスパートして先頭に立つと、手前を変えて勢いを保ち、追いすがるアスコリピチェーノを3/4馬身差で抑えきった。エトヴプレは伸びが見られず、5着に敗れ去った。

2024 桜花賞: レース映像

STELLENBOSCH / G1 Oka Sho // Hanshin /// 2024 //// Video by JRA

勝利コメント

モレイラ騎手「今日はそこまでスタートは速くなかったのですが、道中は満足のいくポジションでした。直線に入る手前にスペースについて心配したんですが、残り400メートルぐらいでスペースができて、そこでの反応が素晴らしかった。先頭に立つのが早く、ソラを使わないか心配だったのですが、やはり能力のある馬。最後まで頑張ることができました」

後続の注目馬

どの国でも、牝馬クラシック開幕戦で派手な追い込みを見せた馬を過剰評価するのは危険です。しかし、それを承知した上でも、ライトバックとスウィープフィートの末脚は無視できません。

この2頭は直線に入る前の段階で、最後方のラインを走っていました。坂井瑠星騎手はライトバックを大外に持ち出すと、怒涛の追い込みで勝ち馬と1馬身差の3着に食い込んだ。一方、武豊騎手のスウィープフィートは内に追いやられたこともあり、ライトバックより出遅れた形になった。しかし、そこから追い上げを見せ、3着と半馬身差の4着まで詰め寄った。

次はどうなる?

5月19日に東京競馬場で行われる、優駿牝馬(オークス)では再戦が見られるかもしれない。ここで上位陣が接戦だったことを鑑みると、またもや混戦となる可能性はある。

REGALEIRA / G1 Hopeful Stakes // Nakayama /// 2023 //// Photo by JRA

しかし、このレースはこの世代のスター牝馬、G1・ホープフルSを勝ったレガレイラが欠けていた。翌週の皐月賞で再び牡馬と対峙する予定だが、その結果次第でダービーに進むかオークスに切り替えるか決まるかもしれない。

デイヴィッド・モーガン、Idol Horseのチーフジャーナリスト。イギリス・ダラム州に生まれ、幼少期からスポーツ好きだったが、10歳の時に競馬に出会い夢中になった。香港ジョッキークラブで上級競馬記者、そして競馬編集者として9年間勤務した経験があり、香港と日本の競馬に関する豊富な知識を持っている。ドバイで働いた経験もある他、ロンドンのレースニュース社にも数年間在籍していた。これまで寄稿したメディアには、レーシングポスト、ANZブラッドストックニュース、インターナショナルサラブレッド、TDN(サラブレッド・デイリー・ニュース)、アジアン・レーシング・レポートなどが含まれる。

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