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2024 大阪杯: GIレビュー

競馬場:阪神競馬場
距離:芝2000m
賞金総額:4億3200万円(約300万USドル)

ベラジオオペラの去年日本ダービーでの4着は陣営にとって極めて悔しい結果だった。第4コーナーで先頭から大きく離れて馬群後方にいたにも関わらず、最終直線で鋭い末脚で追い上げてきたが、前4頭の写真判定で惜しくもタスティエーラの4着になった。

4歳になって更に力を付けたベラジオオペラ(父・ロードカナロア)は大阪杯で今年の古馬戦線の一番星を挙げた。同馬は自身及び管理する上村洋行調教師に調教師としてのG1初勝利もたらし、ダービーで敗れたタスティエーラにも一矢を報いた。

今年の大阪杯にはドバイ遠征を選んだドウデュース、シャフリヤール、リバティアイランドなどのトップホースの姿が見えなかった。出走する16頭の中で前年の日本ダービー覇者タスティエーラが4.4倍の1番人気、ベラジオオペラが5.5倍の2番人気、ローシャムパークが6.0倍の3番人気に推された。他にも過去2年の皐月賞馬ジオグリフとソールオリエンス、2022年の秋華賞馬スタニングローズがいた。

レースではスタニングローズが安定したペースでハナを切り、その1馬身後ろの外にベラジオオペラが先行。バックストレッチでローシャムパークが馬群後方からポジションを上げていき、第3コーナーでベラジオオペラと並んだ。ソールオリエンスもローシャムパークの後ろをついていき、タスティエーラは内ラチ沿いでベラジオオペラを追走。スタニングローズは4コーナーで更にペースを上げた。

スタニングローズは直線に入った後徐々に失速し、ベラジオオペラが先頭に立ち、ローシャムパークと激しい叩き合いとなった。最終的にベラジオオペラがクビ差でローシャムパークを退き、内から接近してきたルージュエヴァイユが僅かな差で3着、大外から追い上げてきたステラヴェローチェが4着となった。

2024 大阪杯: レース映像

BELLAGIO OPERA / G1 Osaka Hai // Hanshin /// 2024 //// Video by JRA

レース後コメント

1着の横山和生騎手「この馬と重賞は獲れていましたが、ダービーの悔しさをずっと忘れられなくて、絶対今回はこの馬と一緒に勝ちたいと思っていたので最高に嬉しいです。馬場の様子を見ながらでしたが、ベラジオオペラ自身がとても操縦性のいい馬なので思い切って運びました。馬の状態も良かったので最後も良く凌いでくれました。あのような形(追い比べ)になると強い馬なのですが、馬には無理言って動いてもらったので本当に良く凌いでくれました」

期待外れの結果

ダービー馬に対して、人々は常に連勝街道を歩んで名馬になれる期待を寄せている。しかし、タスティエーラは自分の輝きを取り戻さなければならない。ダービー優勝した後距離延長しての菊花賞の2着はまだいい結果とも言えるし、昨年12月の有馬記念でドウデュースや他の5頭のG1勝者に次ぐ6着も健闘したと言えよう。しかし、今回のレースはかなり物足りない結果となった。最終コーナーで4番手の好位で走っていたにもかかわらず、タスティエーラは直線で伸びず11着と大敗した。もしかしてもっと距離が長い春の天皇賞がこの馬の転機になるかもしれない。

デイヴィッド・モーガン、Idol Horseのチーフジャーナリスト。イギリス・ダラム州に生まれ、幼少期からスポーツ好きだったが、10歳の時に競馬に出会い夢中になった。香港ジョッキークラブで上級競馬記者、そして競馬編集者として9年間勤務した経験があり、香港と日本の競馬に関する豊富な知識を持っている。ドバイで働いた経験もある他、ロンドンのレースニュース社にも数年間在籍していた。これまで寄稿したメディアには、レーシングポスト、ANZブラッドストックニュース、インターナショナルサラブレッド、TDN(サラブレッド・デイリー・ニュース)、アジアン・レーシング・レポートなどが含まれる。

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